牽制

<なれそめ編>
平日だけだったLINEが
夕飯のメニューを考えるっていう
共通のテーマのお蔭で
土日もLINEをするようになった私たち。


夕飯のメニューだけではなく
子供の事、仕事の悩み、離婚のこと
いろんなことを話すうちに
私の中で誠君の存在は
とても大きくなってしまっていた。


自分でも、LINEにのめりこんでしまっていると
分かってた。
今まで帰宅したら、放ったらかしだったスマホを
常に持ち歩くようになってた。


『誠君はどんなつもりで
私とLINEしてくれてるのかな・・。
また、お茶してくれるかな。
誘ってみようかな』


とも:今度また加藤さんが早く帰れるとき
   お茶つきあってもらえませんか?
誠:お茶、付き合うのは全然良いんだけど
  自分の家も大事にしてね
とも:はい・・・(シュン・・)
   (気を取り直して)加藤さんって
   お誕生日いつなんですか?
誠:なんで?
とも:(なんで、って・・泣)
   いえ・・気が進まなければ良いです
誠:別に良いんだけど、〇月△日ですよ
とも:!!私も同じ〇月です!!
誠:そうなんだ じゃあ〇月はお誕生日飲み会でもしますか
とも:本当ですか~すごく楽しみにしてます!!!


誕生日を聞いたの迷惑だったのかなって
悲しくなった後の
まさかのお誕生日飲み会の約束
気持ちの上がり下がりに心臓はドキドキしっぱなしで
つい言ってしまった。


とも:なんか・・・自分でも笑ってしまうくらい
   ドキドキします
誠:それは問題だね
とも:・・ごめんなさい
誠:・・ともさんとは一緒にいると楽しいよ
  LINEも
  でも、やっぱりちょっと後ろめたいよね
  何にもなくてもさ
  だから
  ともさんの気持ちがあまり上がっちゃうと
  後ろめたさがアップするかな
  お互いちょっと頭を冷やした方がいいよね
  今日は寝よう
  おやすみ


「後ろめたい」
「頭を冷やした方がいい」


舞い上がってたのは私だけ。
パタパタっと落ちる涙を止められなかった。