封印

<なれそめ編>


「頭を冷やした方がいい」と言われて
LINEを交換してから
すっかり夢中になっていた自分に
改めて気づかされた。


いくら離婚を協議中とはいえ
まだ話し合いをし始めたばかり
どんなに元旦那に気持ちが無くても
私は既婚者で子供たちのお母さんなんだ。


彼は、私の危うさに気づいたんだと思う。
のめりこんでしまいそうなわたしの様子に
「牽制」をした。


あのやりとりの晩は、泣きながら寝て
次の日はマンガみたいに腫れぼったい目に
夢じゃなかったことを思い知らされる。


加藤さんに後ろめたさなんて感じさせたくないよ。
いつも相談に乗ってくれて
的確なアドバイスをくれて
楽しく夕飯のメニューを考えてくれて
それだけで十分だよね。
それ以上を求めるなんて贅沢だよね。


加藤さんが、私とその距離感が良いなら
私もその距離感で良い。
そうすれば加藤さんが後ろめたさなんて感じず
私と楽しくやりとりできるなら
その方がずっと良い。


だから、私はこの気持ちを
全力で封印しなくちゃ。
うん、できるよきっと。
片思いは若いときいーっぱいしてきたし
振られるのも慣れてるよ。
どんなに好きでも諦めるしかない恋があることも
もう大人だから分かってる。


とも:昨日の件、頭冷やしてきました
   ちょっと、久々に女の子扱いされて
   舞い上がってしまってたみたいで・・
   離婚とか今後の不安とかで
   誰かに甘えたかったのかもしれないです
   離婚するなら、それこそ、しっかりしなくちゃですよね
   大丈夫です
   私は女の子じゃなくてお母さんですから
   これからもお母さんとして、夕飯のメニュー
   一緒に考えてください
誠:勿論だよ
  ともさんとのやりとりは楽しいから
  今日はヒレカツにしようかな(笑)


この距離感が良いよね。
頑張る。