過去の告白(誠編)

<なれそめ編>


スカート姿をべた褒めしてもらって、ネカフェで2度目のキスと、初めてのボディタッチ・・・。
恥ずかしくて、でも、好きな人に触れてもらえるのはやっぱり嬉しくて。
満たされた気持ちで家に帰った。



帰宅後家事を終えて、誠君にLINEをした。
今日嬉しかったことを伝えたかった。


私のテンションに対して、誠君の様子が何となくおかしい気がした。


とも:「?なんか、ちょっとテンション低い?・・もしかして今日の事後悔してたりする?」
誠:「・・・ちょっとまじめな話をします。本当はお酒でも飲みながら話すつもりだったんだけど、早い方が良いような気がするので。重たい話ですが、聞きますか?ともちゃんにとっても、重いかもしれませんよ?」
とも:「・・聞きます。」


誠君は、自分の過去について話をしてくれた。
まだ彼が独身の若い頃に、既婚女性と付き合っていたこと。
彼女の辛い結婚生活の相談に乗るうちに、助けてあげたいという気持ちが膨らんで、男女の関係になったこと。。
あることがきっかけで旦那さんに二人の関係が知られてしまい、その後ものすごい修羅場になったこと。


私は、息をのんで話を聞いた。


誠:「当時3人ともかなり精神的に追い詰められて、中でも彼女は目も当てられない酷い状態でした。だから、二度とこんなことにはならないように、と考えていたんです。」


とも:「・・・私を、同じような状況にしたくないから?」


誠:「当然でしょう。」


とも:「さっき、早く伝えた方が良いと言っていたのは、このまま二人の関係が先に進んでしまうと、二の轍を踏む可能性があると思ったから?」


誠:「そうですね。」


とも:「でも・・私は誠君とのことがある前から、離婚を考えていたんだよ?彼女とは違うと思う。」


誠:「それでも、もし旦那さんにバレたら?離婚自体が順調に進まなくなるかもしれない。旦那さんが豹変するかもしれない。それに、違うかもしれないけど、ともちゃんはやっぱりまだ、離婚に迷いがあるんじゃないですか?
それは、子供たちの為なのかもしれないけど。
私は、離婚はしなくて済むならしない方が良いとやっぱり思います。」


とも:「それは・・もう会わないってことが言いたいの?」


誠:「頭ではそう思います。でも・・・一緒にいるのが楽しすぎて、もう会わないっていう話ができません。
困ったものですね。結局ともちゃんに同じ思いをさせたくない、と言いながら自分の気持ちを優先してるんです。あの時、あんなに酷い状態の彼女を目の当たりにしていたのに、最低です。私は、最低なヤツなんです。」


誠君は、この時の彼女さんの酷い状況に対して、とても責任を感じていた。
それは、こんな酷い状態になった上に、結局彼女さんを幸せにすることもできなかった、ということもあるようだった。


30年経っても、きれいに忘れることなんてできない、と苦しそうに言っていた。
誠君とはもう会えない。
そんな気がした。


それなら・・・・私も、秘密を打ち明けることにした。


(つづく)