ぬいぐるみと誠君

最近の私たちは一緒にお買い物をすることが増えてきました。
一緒にお茶をして、帰りに私の夕飯のお買い物に彼が付き合ってくれる。
時間があるときは夕飯だけじゃなく、日用雑貨のお買い物も一緒に。


お店には早くも「鏡餅」や「玄関飾り」なんかも陳列されるようになって、年末が近づいてることを実感します。


私たちは今は独身同士のお付き合い。
だから、普段はあまり制約はありません。
勿論子供がいるのだから、家に帰れば子供のことが優先なのは当然だけれど、それでも隙間時間を見つけてお茶をしてお買い物をするくらいは調整ができます。


でも、年末年始は例外です。
年末年始は私が実家に帰ってしまうため、彼とは会えないしLINEはできても電話はできません。


そんな寂しさを紛らわしたい気持ちもあって、今年は彼にお願いをしてみました。


とも:もう鏡餅とかあるね。あのさ、鏡餅とか玄関飾り一緒に選びに行ってくれる?


誠:うん、良いよ良いよ


とも:誠くんのお家は玄関飾り飾ったりお正月っぽいことしないって去年言ってたじゃない?今年もやっぱり飾らない?


誠:いや・・決めてない


とも:できれば・・なんだけど、鏡餅と玄関飾り同じのを一緒に選んで、お互いのおうちに飾りたいな


誠:良いよーそうしよう!お揃いね


やったやったー。
同じ家に暮らせなくても、お揃いのお正月飾りを家に飾ることで、一緒に年始の準備をしてるような気持ちになれるから。


鏡餅と玄関飾りと。。あとできたら干支の飾りも一緒に飾れたらなぁ・・。そう思ってネズミの飾りを調べていました。
そこで一目ぼれしてしまったのが、これ。


商品の説明に『夫婦』の文字。


夫婦なんだー(*^^)
可愛いなぁ、夫婦のネズミ。
グレーが誠君で、白が私。


そんな風にネズミのぬいぐるみに自分たちを見立ててみたりして(笑)
そんな妄想をしてたら、思いついてしまいました。
早速LINE。


とも:あのね、このネズミの干支のぬいぐるみなんだけど。。「夫婦」なんだって。可愛いでしょ?本当は夫婦なんだから、二匹一緒に飾るものなんだろうけど、この子たちを私とあなたに見立てて、お互いが一匹ずつ持たない?
私はグレーの誠ネズミを持って、貴方は、白のともネズミを持つの。
お正月会えない間も、このネズミ君たちを相手に見立てるんだよ。


正直、この提案が却下される可能性は高いと思っていた。
50代半ばの男性が、いくら干支のネズミとは言え、ぬいぐるみを飾ってくれるとは思えないし、私が提案した「お互いに見立てる」のも、以下にも子供っぽい女性目線の提案だったから。


でも彼は驚くほどあっさりと「良いよ」と言ってくれた。
自分でお願いしたくせに「えっっ??良いの?」と驚いてしまった私。


とも:でも・・いきなりリビングとかにネズミが飾られたら、息子君たちも驚いちゃうよ?


誠:そうだね・・・じゃあ私の机に飾るよ


机!?
あなたの??
それこそビックリだよーって笑ってしまったけど、とっても嬉しかった。


そしてさっそく我が家に届いたねずみ夫婦。
今日お茶をしたとき、誠君に白い方を渡してきました。


ただいまーのメッセージと共に、彼の机にちょこん、と置かれた白ねずみのぬいぐるみの写真が届きました。


パソコンとかSwitchが置かれる中、明らかに異色のねずみ(笑)
でも、彼がほんとに机に置いてくれたことがとっても嬉しかったのです。
なんだか、私の代わりに白ねずみが彼の普段の様子を見てくれるようで。
そんな現実的ではない想像をして、口元がにやけてしまう私。


ぬいぐるみなんて絶対に柄じゃない彼が、私に見立てた白ねずみを飾ってくれた。
そこにはきっと、お正月を夫婦として一緒に過ごせない切なさや、彼の部屋にお邪魔してみたいな、と言っていた私の気持ちを汲み取ろうとした優しさがあると思いました。


幸せで心がホッカホカになりました。
彼からは「トモチュウ、座ってるみたいに見える(笑)」というLINEも来ました。
どうやら、名づけまでしてくれたみたいです。


「トモチュウ」


ピカチュウみたい(笑)


誠君、トモチュウを末永くよろしくね。